加納しげる、45歳。
エンジニア歴は20年以上になり、今はIT系自社サービスを展開する会社でCTO兼PdMを務めている。肩書きはいろいろついているが、本質的にはずっとエンジニアだ。
キャリアの始まりはCOBOL。金融系の現場でパンチカードの残り香を嗅ぎながら、ひたすらレガシーコードと格闘してきた。それが今ではTypeScriptやクラウドネイティブな環境を扱う日々になっている。言語やフレームワークは移り変わるが、「動くものを作る」という姿勢は20年以上変わらない。
尊敬するエンジニアは、Rubyの生みの親であるまつもとゆきひろ氏、現場目線の鋭い洞察を残したジョエル・スポルスキー氏、そしてIT業界を明るく彩るちょまど氏だ。技術の深さも、発信力も、人を惹きつける力も、自分が学ぶべきものばかりだと思っている。
愛読書は「ジョエル・オン・ソフトウェア」と「こち亀」。この組み合わせを不思議に思う人もいるが、実は共通点がある。どちらも人間くささにあふれていて、笑いながらも仕事や社会の本質を突いてくるところだ。エンジニアリングも結局は人間の営みの一部だと考えさせられる。
長い間この業界にいると、きれいごとだけではない現実も見えてくる。炎上プロジェクトも、不条理な顧客要求も、深夜に鳴る監視アラートもすべて経験済みだ。それでも、「作ったものが誰かに使われる喜び」がある限り、エンジニアという仕事はやめられない。
これからも新しい技術を学びつつ、業界の裏も表も若い世代に伝えていきたい。ベテランとしての経験と泥臭さを武器に、次の時代のエンジニアリングに貢献するのが自分の役割だと思っている。