CSSクラス名で迷子になる夜はもう終わりにしよう
CSSを書いていると、ふとした瞬間に「このクラス名、後で見返したら絶対に意味わからないやつだな…」と冷や汗をかいた経験はないだろうか。プロジェクトが大きくなるにつれ、命名規則がバラバラだとスタイルシートはカオスになる。
この記事では2025年版のCSSクラス名の命名規則の最新動向を整理し、今すぐ使える指針を示す。つまり、読了後には「クラス名どうしよう問題」から卒業できるというわけだ。
2025年の答え:意味と一貫性を最優先にしたルール
結論から言うと、2025年のCSSクラス名のトレンドは「意味的な命名+スケールしやすい構造」に集約される。BEM(Block Element Modifier)やOOCSSといった古参の流派は依然として強いが、最近ではTailwindやUtility-First思想が普及したことで、「実装寄り」か「意味寄り」かの二極化が進んでいる。
重要なのは、プロジェクトの規模やチーム体制に合わせて「規律を守れるかどうか」だ。名前そのものよりも、チーム全員が迷わず書けるルールを持つことが最適解になる。
なぜこの流れになったのか
開発規模の拡大と可読性の確保
Webアプリケーションは年々巨大化し、CSSファイルが10万行を超えるようなケースも珍しくない。ここで「btn」「blue」「box2」なんてクラス名が並んでいたら…後輩に殺意を抱かれても仕方がない。
2025年では長期的な保守性を担保するために、構造的な命名規則を導入するのが常識になりつつある。
BEMの継続的な支持
BEMは2010年代から定番の命名規則だが、2025年もまだ健在だ。理由は明確で、コンポーネント志向の設計と相性が抜群だからだ。
.card { ... }
.card__title { ... }
.card__button { ... }
.card__button--disabled { ... }
このように「どのブロックのどの要素で、どう修飾されているか」が明確なので、読んでいてストレスが少ない。チーム開発で「これ何のクラス?」とSlackで聞く回数を劇的に減らしてくれる。
Utility-Firstの逆襲
一方で、Tailwind CSSの普及によりユーティリティクラス文化が一気に広まった。2025年現在では、「全部BEMで書くのは重すぎる」という現場の声が強い。
そのため「BEMで大枠を作り、細かい調整はUtilityで」というハイブリッド型が支持を集めている。
<div class="card p-4 bg-white shadow"> <h2 class="card__title text-lg font-bold">タイトル</h2> <button class="card__button mt-2 px-4 py-2 bg-blue-500 text-white">送信</button> </div>
もはや「BEM派 vs Utility派」の論争は過去のものになり、両者のいいとこ取りが実務的な解として定着している。
命名規則の国際化と日本語対応
グローバルに展開するサービスでは、CSSクラス名も英語が基本。しかし最近は「開発チームが日本語ベースなら無理に全部英語化しなくても良い」という実践的な声も増えている。例えば「.btn-kakunin」などだ。
ただし、外部に公開されるコードは英語推奨。社内ツールなら日本語ローマ字混在もアリだが、外部開発者を巻き込む場合は避けたい。
データと現場の声
2024年に行われた「State of CSS」調査によると、60%以上の開発者がBEMかUtility-Firstを採用しており、残りは独自ルールやフレームワーク依存だった。
つまり「独自ルールを作ってチームに浸透させる」よりも、「既存の枠組みをうまく使う」方が合理的だという結論が出ている。
実務で役立つ命名のヒント
避けるべきアンチパターン
- 意味不明な略語(例:
.bx2) - スタイル依存の名前(例:
.red-text→ 後で青にしたら破綻) - 数字だけの区別(例:
.box1,.box2)
推奨パターン
- 意味を持たせる(例:
.alert-success,.form-input) - 役割を先に書く(例:
.nav-item,.btn-primary) - 一貫性を保つ(命名規則はドキュメント化してチーム全員で共有)
チームでの運用方法
| 課題 | 対策 |
|---|---|
| 人によって命名がバラバラ | 命名規則をWikiやリポジトリに明文化 |
| 時間が経つと忘れる | コードレビューで必ず命名をチェック |
| 新メンバーが迷子 | スタイルガイドを作り、入社初日に叩き込む |
まとめと次のアクション
2025年版CSSクラス命名規則のトレンドは「意味+一貫性+ハイブリッド」にある。BEMやUtility-Firstを適度に組み合わせ、チーム全体で迷わないルールを導入することが最適解だ。
今すぐできることは以下の3つ。
- 自分のプロジェクトでクラス名の命名規則を棚卸しする
- BEMかUtilityのどちらをベースにするか決める
- ルールをドキュメント化してチームに共有する
「CSSクラス名のカオス」に悩んでいるなら、まずは小さな改善から始めてみてほしい。未来の自分(と後輩)が感謝すること間違いなしだ。


