「面接で落ちる理由が分からない」という悩み
エンジニアとして転職を考えたとき、面接で何度も落ちてしまう経験をする人は少なくない。スキルはあるのに通らない、逆に「自分よりできないのでは?」と思う人が採用される。なぜそんなことが起こるのか。その答えは、採用担当の視点にある。この記事では、エンジニアを100人以上見てきた採用担当として気が付いたポイントを共有する。
結論:技術力だけでは採用されない
採用の現場で強く感じたのは、技術力は「必要条件」だが「十分条件」ではないということだ。採用されるエンジニアは、スキルに加えて以下の要素を兼ね備えている。
- コミュニケーション能力:チームで働けるかどうか
- 学習意欲:技術の変化に対応できるかどうか
- 自己理解:自分の強み・弱みを言語化できるかどうか
- 仕事観:なぜその会社で働きたいのかを説明できるかどうか
つまり「コードが書ける」だけでは足りない。エンジニアを「人」としてどう評価するかが採用の決め手になる。
面接で光る人・埋もれる人の違い
光る人の特徴
- 質問に対して自分の経験を具体的に語れる
- 失敗を隠さず、そこから学んだことを伝えられる
- 「御社で何をしたいか」を明確に言える
- 聞かれていないことでも自然に話を広げられる
埋もれる人の特徴
- 回答が短く、深掘りできない
- 「やったことがありません」で終わってしまう
- 志望動機が「スキルアップしたい」だけ
- 面接官の質問意図を汲み取れない
面接は「できること」だけでなく、「どう学び、どう成長していく人なのか」を見る場なのだ。
データで見る採用の基準
ある調査によると、エンジニア採用で重視されるポイントは次の通りだ。
評価項目 | 重視度(%) |
---|---|
技術力 | 65% |
コミュニケーション力 | 55% |
学習意欲 | 50% |
志望動機・カルチャーフィット | 45% |
これを見ると、技術力はもちろん必要だが、それ以外の要素も同じくらい重要視されていることが分かる。
面接で差をつけるためにできること
自己PRを「エピソード化」する
「チームで協力できます」と言うだけでは弱い。実際にどう協力したのか、どんな成果が出たのかを具体的に話せば説得力が増す。
失敗談を準備する
失敗を隠すのは逆効果だ。むしろ失敗からどう立ち直ったかを話すことで、学習意欲や問題解決力を示せる。
志望動機を「会社軸」で語る
「成長したい」だけではなく、「その会社でなぜ成長したいのか」を語ることが大事だ。事前に企業研究をして、具体的な理由を伝えよう。
技術以外の強みを言語化する
例えば「業務改善が得意」「顧客との調整に強い」といった強みは面接で高く評価される。「コード+α」を持っている人材は採用されやすい。
実際にあった事例
採用された人
あるエンジニアは、自分の強みを「エラー対応の冷静さ」と明確に語った。過去のトラブル事例を話し、どのように対応したかを説明。その結果「チームに安心感を与える人材」と評価され、採用が決まった。
不採用となった人
逆に技術力は高かったが、志望動機が「給与が良さそうだから」だけの人は落ちてしまった。企業側は「すぐに辞めてしまうリスク」を懸念するからだ。
まとめ:採用担当は「人」を見ている
エンジニア採用の現場では、技術力だけでなく、人間性・学習意欲・コミュニケーション力が重視されている。つまり、自分を「どう表現するか」が結果を大きく左右するということだ。
今日からできるアクションはシンプルだ。自分の経験をエピソード化し、失敗談と成功談をセットで語れるように準備する。そして志望動機を「その会社ならでは」の理由に変換する。それだけで、あなたの面接突破率は確実に上がるはずだ。