「フリーランスで自由に働く!」の幻想
最近、SNSやYouTubeでは「未経験から3か月でフリーランスエンジニアになりました!」といったキラキラした体験談が溢れている。しかし現実はそう甘くない。IT未経験の人がいきなりフリーランスになると、仕事が取れない・単価が安い・継続できないという三重苦に見舞われやすい。この記事では「なぜ未経験からのフリーランスは危険なのか?」を冷静に解説し、どう行動すればいいかを提示する。
結論:未経験フリーランスはほぼ失敗する。まずは実務経験を積め
結論を先に言うと、未経験からいきなりフリーランスになるのはおすすめできない。なぜなら、フリーランス市場で必要なのは「即戦力」であり、未経験者は企業からすると研修コストすら払いたくない存在だからだ。まずは会社員として最低でも2~3年の実務経験を積み、その後にフリーランスを目指すのが現実的なルートだ。
未経験フリーランスが陥りやすい落とし穴
案件が取れない
フリーランス案件の多くは「実務経験2年以上」が必須条件。つまり未経験者はそもそもエントリーできない。クラウドソーシングで仕事を探す手もあるが、単価は驚くほど低い。「1文字0.5円でWeb記事を書いていたら生活できない」のと同じで、実務経験ゼロのプログラミング案件はアルバイト以下の収入にしかならない。
スキル不足で炎上
仮に案件が取れたとしても、未経験では対応できないことが多い。エラー対応、セキュリティの考慮、納期調整など、現場経験がなければ対処できない。結果として納期遅延や品質トラブルを招き、信用を失って次の案件が取れなくなる。これが「未経験フリーランス即廃業ルート」だ。
収入が安定しない
フリーランスは「案件があるときは稼げる」が、「案件が切れると即収入ゼロ」になる。会社員と違い有給や社会保険もないため、体調不良や不景気が直撃する。未経験+不安定収入=生活破綻という未来は想像に難くない。
データで見るフリーランス事情
2025年のフリーランス市場を俯瞰すると、案件の条件は以下の通りだ。
条件 | 割合 | 特徴 |
---|---|---|
実務経験2年以上 | 約70% | ほぼ必須条件。これを満たさないと応募すらできない。 |
リモート案件 | 約40% | 競争率が非常に高い。経験豊富な人が優先される。 |
月単価60万以上 | 約50% | 高単価案件は即戦力しか取れない。 |
この表からも分かるように、「経験がない人は市場の土俵にすら上がれない」のが現実だ。
じゃあどうすればいいのか?
まずは会社員で実務経験を積む
最も確実なのは、正社員や契約社員として企業に入り、2~3年の経験を積むことだ。この間に案件の流れ、チーム開発の進め方、顧客との折衝を学べば、フリーランスになったときにも通用する。
副業から始める
会社員の安定収入を確保しつつ、副業で小さな案件を請けるのも良い手だ。実績を積みながらポートフォリオを作れば、将来的にフリーランスへの道が拓ける。
学習は「アウトプット重視」で
ただの学習では市場価値は生まれない。GitHubにコードを公開したり、自作アプリをリリースしたりすることで、「未経験だけど実力はある」と証明できる。
事例から学ぶ
Aさんは未経験でフリーランスになったが、案件が取れずに半年で撤退。一方、Bさんは2年間SIerで働き、その後フリーランスに転向。クラウド案件で月70万円を安定して稼いでいる。この違いは明らかで、「経験値を貯めてから独立する」方が圧倒的に有利だ。
まとめ:フリーランスは「実務経験」が通貨
未経験からフリーランスになるのは、いきなり無装備でダンジョンに突っ込むようなものだ。生き延びるのはほぼ不可能。実務経験こそがフリーランス市場での通貨であり、それを持たない人は相手にされない。
焦ってフリーランスになるよりも、まずは会社員で経験を積み、土台を固めよう。その先で独立を考えれば、自由も収入も手に入る可能性は格段に高くなる。「未経験からいきなりフリーランス」ではなく、「経験を積んでからフリーランス」こそが王道だ。